【9月24日 AFP】イランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領は23日、国連総会(UN General Assembly)での演説で、米政府が2001年の9.11同時多発テロを仕組んだことは大半の人が知っていると述べ、激高した米政府高官が演説中に退席した。

 アフマディネジャド大統領の演説に激高した米政府高官2人が国連総会を退席。続いて英国や欧州連合(EU)各国代表団も退席した。カナダは演説開始前から退席していた。

 大統領は「米国の景気低迷を反転させ、シオニスト運動を救うために中東への影響力弱体化を反転させようとして米政府の一部勢力が画策した」という理論が存在していると述べ、「米国人の大半も、ほかの国々の国民や政治家の大半も、この見方に賛成している」と語った。

 米政府国連ミッション(US mission to the UN)は、この演説が終わる前に声明を発表し、同大統領を厳しく非難した。

 アフマディネジャド大統領は、これまでにも国連総会の場で米国やイスラエル、その他の代表団を立腹させてきた。

■「西洋社会は核を独占している」

 イランの核開発をめぐり国際的な批判が高まる中、アフマディネジャド氏は、国連安全保障理事会(UN Security Council)の常任理事国の「一部」が核を独占していると非難した。

 アフマディネジャド氏は、イランに対する非難は「(その国々が)自国の核兵器の拡張、更新、維持をしたのと同時だった」と語り、2011年は核武装解除の年として宣言すべきだとして「核エネルギーをすべての国に、核兵器所有国をゼロに」というスローガンを掲げた。

 数時間前には同じ場所でバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領がイランの核開発問題の交渉のドアは今でも開いていると述べていたが、アフマディネジャド氏は演説で国連の制裁問題については触れなかった。

 国連本部前では同日、イラン人多数を含む800人程度が、アフマディネジャド大統領に対する抗議デモを行った。(c)AFP