【9月20日 AFP】イランにスパイ容疑で拘束された米国人旅行者3人のうち、ただ1人解放されたサラ・ショウルド(Sarah Shourd)さん(32)が19日、記者会見し、自分だけが解放されたことを「3分の1の解放にすぎない」と述べ、仲間2人と解放の時を共有できないことに「胸が押しつぶさる気持ちだ」と語った。

 ショウルドさんと婚約者のシェーン・バウアー(Shane Bauer)さん(27)、ジョシュア・ファタル(Joshua Fattal)さん(27)の3人はイラク北部を旅行していたところ誤ってイラン国境を越えてしまい、2009年7月31日にスパイ行為と不法入国のかどでイラン当局に拘束された。その後、ショウルドさんは14日に解放されたが、バウアーさんとファタルさんはイランで拘束されたままだ。

 米ニューヨーク(New York)でショウルドさんの帰国から数時間後に行われた記者会見には、ショウルドさんの母親とともに拘束されている2人の母親も同席した。

 ショウルドさんは、「テヘラン(Tehran)から航空機に乗り込んだ瞬間は、わたしの生涯で最も忘れがたく重要なものだ」と話す一方、「まだ、解放を祝う時ではない」と仲間をきづかった。

 拘束中のショウルドさんについては、胸のしこりや子宮頚部に前がん病変などの懸念が伝えられていたが、ショウルドさんによると解放後に立ち寄ったオマーンで医師の診断を受け、健康上の問題はないといわれたという。

 また、イラン政府に対しては、感謝の念を示しながらも、「自分たち3人は違法行為はしておらず、スパイでもない。シェーンやジョシュ(ア)がわたしより1日だって長く拘束される理由は何もない」と述べ、残る2人の解放を強く訴えた。(c)AFP