【9月9日 AFP】中国の漁船が東シナ海の尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島)付近で日本の巡視船と衝突した問題で、中国政府は9日、漁船の船長の逮捕は「荒唐無稽」だと述べ、両国間の外交に悪影響が出かねないと警告した。

 中国外務省の姜瑜(Jiang Yu)副報道局長は報道陣に対し、「日本側がこの海域で中国の漁船に日本の国内法を適応するのは荒唐無稽であり、違法であり、無効だ。中国政府はこのようなことを決して容認しない。正しい対応がなされなければ、(この事件は)二国間に重大な影響を与えるおそれがある」と語った。

 姜氏はまた、「事態を悪化させないために」乗員の無条件の釈放を要求。漁船の「安全を確保するために」、法の執行機関を現場の海域に派遣したと述べた。

 中国政府はこれまでに2度にわたり駐中日本大使を呼び、8日未明に公務執行妨害容疑で逮捕されたヂャン其雄(ヂャン・チーシォン、Zhan Qixiong、ヂャンは憺のつくり)船長(41)の釈放を求めている。

 事件は7日午前に発生。漁船は巡視船「よなくに」の停船命令を無視し、逃走する際によなくにに接触。海上保安庁の船艇4隻に追跡された漁船は、よなくにと接触した約40分後に巡視船「みずき」と衝突した。その後海上保安官が漁船に乗り込んだ。衝突による負傷者はなかった。(c)AFP/Allison Jackson