【8月29日 AFP】中国・北京(Beijing)を訪問中の岡田克也(Katsuya Okada)外相は29日、中南海(Zhongnanhai)で中国の温家宝(Wen Jiabao)首相と会談した。この席で温首相は、中国に進出した日系企業で働く中国人労働者の賃上げを検討するよう求めた。日本の外務省が同日発表した。

 前日の28日に北京で開かれた日中ハイレベル経済対話に参加した日本側出席者と中国の王岐山(Wang Qishan)副首相、楊潔チ(Yang Jiechi)外相も同席した。

 岡田外相は日中ハイレベル経済対話で、ハイブリッド車や電気自動車、携帯電話、ハイテク製品などに使われ、中国が世界生産の97%を占める「レアアース」の輸出規制に懸念を示すとともに、中国に進出した日系企業のビジネス環境の改善などについて指摘していた。欧米各国の企業や政府も、中国が不公平な政策と市場規制を行い外資系企業に打撃を与えていると繰り返し主張している。

 これについて温首相は「レアアースについてはかつて乱開発や密輸が行われた中で規制を始めているが輸出を停止することはない」と表明し、「労働争議は主に一部の外資系企業で発生しているが、その背景には賃金が相対的に低いという問題がある、この点について対応をお願いしたい」と語ったという。(c)AFP/Robert Saiget