【8月25日 AFP】北朝鮮が戦車や軍艦、戦闘機の存在を韓米軍から隠す偽装工作を開発していたことが、極秘マニュアルによって明らかになったと、朝鮮日報(Chosun Ilbo)が23日、報じた。

 この極秘マニュアルは2005年に発行されたもので、韓国のキリスト教団体、カレブ宣教会(Caleb Mission)を通じ、消息筋によって密かに北朝鮮から持ち出されたもの。

 軍用機や迫撃砲をレーダー波を吸収する塗料「ステルスペイント」でレーダーに映らなくする方法など、韓国軍や米軍を欺く手法が詳細に記されているという。

 また、韓米軍の偵察機を欺くために軍用施設や武器を偽装する手段や、部隊が起動中であるように見せかける方法も指示されている。このほか、北朝鮮各地に塹壕(ざんごう)や洞くつが張り巡らされていることも分かった。

 マニュアルには「現代戦争は電子戦だ。勝利するか、それとも敗北するのか。それは電子戦の戦い方次第なのだ」との金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の言葉が掲載されているという。

 聯合(Yonhap)ニュースにも同様の記事が掲載された。聯合は、北朝鮮軍が偽の滑走路の建設を指示されたことも伝えている。

 韓国国防省は、北朝鮮軍がマニュアルを長年使用しており、韓国国防省もマニュアルを入手して北朝鮮のこうした偽装工作の手法を把握していると認めた。

 韓国の北朝鮮情勢専門家は、極秘マニュアルの内容について「予想していたよりも、周到で綿密な偽装戦略だ」と評している。(c)AFP