【8月10日 AFP】ロバート・ゲーツ(Robert Gates)米国防長官は9日、幹部ポストや民間委託業務の大幅削減、統合戦力軍の解体などを柱とする国防総省の大規模なリストラ計画を発表した。

 バージニア(Virginia)州ノーフォーク(Norfolk)に司令部を置く統合戦力軍は米軍の各部隊の共同訓練や部隊間の調整を担当し、軍人・軍属2800人、民間業者3000人が働いている。年間予算は約2億5000万ドル(約210億円)。統合戦力軍の機能は統合参謀本部が引き継ぐ。

 国防総省で記者会見したゲーツ長官は、厳しい財政事情のなか、イラクとアフガニスタンで2つの戦争を戦いながら将来の脅威に備えるには「1ドルたりとも無駄にできない」と語った。また、国防総省は幹部が増えすぎて不均衡な組織となり、委託業者に過度に依存し、コスト意識が希薄すぎると苦言を呈した。

 国防総省は6月、5年間で1000億ドル(約8兆6000億円)の経費を削減すると発表しているが、今回のリストラ計画で削減できる金額は明らかにされていない。また、地元選挙区で軍関連の雇用を維持したい議員らの支持を得られるかも不透明だ。

 ゲーツ長官は、現在の軍の体制を維持しつつ装備の更新を進めるには年間2~3%の予算増が必要だが、現状では1~2%の予算増しか見込めないと説明し、軍事力の低下を避けるには、国防総省内の軍事力に直接関係ないところで経費削減が必要だと述べた。(c)AFP/Daphne Benoit