【5月31日 AFP】核拡散防止条約(NPT)再検討会議は28日、中東非核化に向けた国際会議の開催やイスラエルにNPT加盟を求める内容の最終文書を採択して閉幕したが、イスラエルは強く反発している。

 イスラエルの政府高官は30日、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が最終文書採択の前に、イスラエルの国益を損ねる内容にはならないとの「確約」を米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領からされていたと声明で発表した。

 声明は「2週間前、ネタニヤフ首相はイスラエルの戦略と抑止力を大幅に向上させることなどを明確に保障する個人的メッセージをオバマ大統領から受け取った」「イスラエルの重大な国益を損なうような決議が国連(UN)採択されないことを約束された」などとしている。

 最終文書は、中東非核化に向けすべての中東諸国が参加する国際会議を2012年に開催すると明記したほか、イスラエルのNPT加盟や核施設の査察受け入れを求めている。その一方で、イランの核開発プログラムについては言及していない。

 最終文書の採択に強く反対してきたイスラエルは29日、最終文書を「深刻な欠陥があり、偽善的だ」と非難した。

 ネタニヤフ首相は6月1日に米国でオバマ大統領と会談する。30日の高官声明は、会談を前に、最終文書に対する驚愕や懸念、怒りといったイスラエル国内の反応を重要視しない政府姿勢を示すとともに、最終文書を支持した米国に対する怒りを沈静化する努力の現れと見られる。(c)AFP