【5月7日 AFP】沖縄県宜野湾市にある米海兵隊普天間飛行場(US Marine Corps Air Station Futenma)の移設問題で、鳩山由紀夫(Yukio Hatoyama)首相は7日、基地の一部の県外移設先として政府が検討している鹿児島県徳之島の3町長と会見し、受け入れへの協力を要請した。これに対し、町長らは「いかなる基地も受け入れることはできない」と断固として拒否する考えを伝えた。

 徳之島から首相官邸を訪れた3町長に対し、鳩山首相は米海兵隊の基地機能の一部の受け入れに理解と協力を求め、さらなる協議のために徳之島を訪問したいという意向を示したが、町長らからは「(徳之島に)来ても、お会いできない」と突き放された。

 会談は一部、報道陣にも公開された。鳩山首相は4月にバラク・オバマ(Barack Obama)大統領と会談した際、オバマ大統領に対し、日米同盟を維持していくためには沖縄にかけている過大な負担を全国で分かち合うことが大事だとの考えを伝えたと述べた。

 そして徳之島の3町長に「普天間基地の機能の一部をお引き受けいただければ、たいへんありがたい」と懇願するかのように語ったが、町長らは「民意は絶対反対を表明している」と単刀直入に返答。首相が徳之島を直接訪問したい意向を示すと「お会いできない」と交渉に応じない姿勢を示した。

■沖縄再訪問も

 7日午前の平野博文(Hirofumi Hirano)官房長官の記者会見によると、鳩山首相は15日にも沖縄県を再び訪れ、移設案の詳細を説明する方針だという。(c)AFP/Frank Zeller