【5月4日 AFP】鳩山由紀夫(Yukio Hatoyama)首相は4日、訪問先の沖縄で米海兵隊普天間飛行場(Marine Corps Air Station FutenmaMCAS Futenma)の全面的な県外移設は難しいとの認識を示し、沖縄県民に分散移転への理解と協力を求めた。
 
 県外移設を求める住民らのシュプレヒコールで迎えられた鳩山首相は、仲井真弘多(Hirokazu Nakaima)沖縄県知事との会談後の記者会見で、普天間の機能を全て県外に移設することは難しいと述べ、これを伝えるための沖縄訪問について「誠に申し訳ないという思い」と語った。

 沖縄における米軍基地負担の軽減を掲げて前年9月に首相に就任して以来、鳩山首相が沖縄を訪れたのは初めて。基地移転への対応をめぐり、同盟国である米国との関係はぎくしゃくし、支持率は低下していた。

 政府はまだ正式に発表していないが、普天間飛行場の移設先は、自民党(Liberal Democratic PartyLDP)政権と米国が合意していた名護市辺野古のキャンプ・シュワブ(Camp Schwab)となる見通しで、政府はキャンプ・シュワブ沿岸を埋め立てる計画を修正して、沖合に「くい打ち桟橋」方式の滑走路を建設する案を検討していると報じられている。

 さらに、海兵隊員1000人とヘリコプターを使う訓練の一部を鹿児島県の徳之島に移転する案も出ているが、徳之島では反対運動が持ち上がっている。(c)AFP