【4月25日 AFP】(写真追加)タイのアピシット・ウェチャチワ(Abhisit Vejjajiva)首相は25日、テレビで演説し、バンコク(Bangkok)中心部で繁華街の占拠を続ける反政府派を排除すると述べた。しかし、いくつかの要因が関係するとして、その具体的な時期や方法には言及しなかった。

 またアピシット首相は、30日以内に議会を解散すれば抗議行動を止めるというUDDが出した妥協案については、重要なのは議会選の時期ではなく、国民的な和解について考えることだと指摘し、自由で公正な選挙を平和的に実施できるようにすべきだと述べた。

 3週間にわたりバンコク中心部のラチャプラソン(Ratchaprasong)交差点などを占拠している「赤シャツ隊」ことタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相を支持する反独裁民主統一戦線(UDD)は近く政府が強制排除に踏み切ると警戒しており、テレビ演説の内容が注目されていた。

 前週、反政府派排除に消極的な姿勢を示したアヌポン・パオチンダ(Anupong Paojinda)陸軍司令官も首相とともにテレビに登場し、政府と軍が一体であることを示した。

 アヌポン司令官は、軍は国全体のための存在であり、いずれかの勢力に肩入れすることはないと述べるとともに、軍内部にタクシン元首相派のいわゆる「スイカ兵士(外見は緑だが中身は赤い)」がいることを認めたものの、その数は少なく問題にはならないとの認識を示した。

 テレビ演説の放送が数分間にわたって途切れる場面があり、政府は何者かが衛星からの電波を妨害したと発表した。(c)AFP/Thanaporn Promyamyai