【4月10日 AFP】(一部更新、写真追加)ポーランドのレフ・カチンスキ(Lech Kaczynski)大統領夫妻を乗せた航空機が10日、ロシア西部スモレンスク(Smolensk)で墜落し、乗員乗客96人全員が死亡した。同機には大統領夫妻のほか、陸軍参謀長、Andrzej Kremer外務次官、ポーランド中央銀行の総裁、国会議員らが搭乗していた。

 ロシア緊急事態省は、墜落したロシア製旅客機ツポレフ(Tupolev)154には、ポーランドの公式訪問団88人を含む96人が乗っていたと発表した。これまで、搭乗人数についての情報は錯綜していた。

 スモレンスク州知事のSergei Antufiev氏によると、スモレンスク郊外の空港に向けて着陸準備に入ったところで、木の頂上部と接触して墜落し、機体はバラバラになったという。

 ロシアのテレビでは墜落現場からの生中継が放映されており、機体の破片が森に散乱し、一部で依然炎上する様子が映し出されている。

 Russia-24テレビの取材に対し、Antufiev州知事は電話で「木の頂上部と接触して墜落し、バラバラになった。生存者はいない」と語った。

 また、ポーランド政府高官は、カチンスキ大統領が同機に搭乗していたことを確認した。さらに、ロシアのテレビではカチンスキ大統領と大統領夫人がワルシャワ(Warsaw)で同機に乗り込む録画映像が放映された。

 大統領は、70年前に起きた旧ソ連軍によるポーランド兵大量虐殺事件「カチンの森事件」の追悼式典に出席するために現地に向かっていた。(c)AFP