【3月27日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領とロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領は26日、電話で会談し、前年12月に失効した第1次戦略兵器削減条約(START 1)の後継条約の内容で合意した。来月8日にチェコのプラハ(Prague)で両大統領が調印する。

 配備する戦略核弾頭を、2002年に設定された上限より約30%少ない1550発、大陸間弾道弾発射装置、潜水艦発射弾道ミサイル発射装置、核兵器搭載可能な大型爆撃機などの運搬手段を配備、未配備合わせて800に制限する。米政府は、配備する運搬手段の上限は、大陸間弾道ミサイルと潜水艦発射型ミサイルを合わせて700にするとしている。

 ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官、ロバート・ゲーツ(Robert Gates)国防長官らを従えてホワイトハウス(White House)で記者会見したオバマ大統領は、新条約は核兵器廃絶に向けた動きの基礎をなすものだと述べた。

 米国務省関係者は、付属文書についての作業がまだ終わっていないものの「春の遅い時期」には批准のため議会に提出できるとの見通しを明らかにした。米民主党は新条約を歓迎し、批准に向けて協力するよう共和党によびかけた。共和党は、米国のミサイル防衛に悪影響を与える条約には賛成せず、新条約の発効前に米国の核兵器更新の詳細な計画が必要だとの立場を示しており、条約の内容を詳細に検討するとしている。

 ゲーツ国防長官は、新条約は米国のミサイル防衛システムの改善になんの制約も課していないと述べたが、同日モスクワ(Moscow)で記者会見したロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は、東欧でのミサイル基地建設など、米国のミサイル防衛計画が行き過ぎた場合は、条約から撤退する可能性もあると明言した。ロシアは米国のミサイル防衛計画に明確に反対しており、新しい核軍縮条約をミサイル防衛と明確に関係付けるよう主張していた。

 新条約が批准されればオバマ大統領にとって、23日の医療保険改革法成立に続く2つめの大きな政治的成果となる。(c)AFP/Lachlan Carmichael