【3月17日 AFP】タイの首都バンコク(Bangkok)で17日、大規模反政府集会を開いているタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相支持派が、米国情報当局が、亡命中のタクシン氏の通話を盗聴していたとして米大使館に行進した。

 シンボルカラーの赤いシャツを着たタクシン支持派「反独裁民主統一戦線(UDD)」のメンバーらは、アピシット・ウェチャチワ(Abhisit Vejjajiva)首相の退陣を求めて前週末から大規模抗議集会を開いている。デモ隊は、首相の私邸で門に参加者から集めた血をかけるなどの抗議行動をした後に、米大使館に向けて移動した。

 UDDメンバーらは、米政府が、タクシン氏の通話を傍受して同氏が暴動を誘発したと非難したとして、抗議している。米政府による盗聴のうわさは、タイのメディアに16日に登場した。その後、ステープ・トゥアックスバン(Suthep Thaugsuban)副首相が、外国情報機関から暴動発生の警告を受けていたことを明らかにしたため、一斉にひろがった。

 副首相は米国の関与については述べなかったが、タイの報道機関とUDDは米国が盗聴したとしている。

 タクシン元首相支持派の中心的指導者Jatuporn Prompan氏は米大使館前で、「タクシン氏の通話を米当局が盗聴し、タクシン氏が妨害工作を行うと米当局が主張したと、ステープ氏は述べた。このことについて米国は明らかにしなければならない」と、トラックの上に乗って群衆に語りかけた。

 Jatuporn氏らは米大使館に書簡を提出し、大使館前を立ち去った。(c)AFP