【3月7日 AFP】(一部更新)アイスランドで6日、世界的な金融危機の影響で2008年に経営破たんした銀行「アイスセーブ(Icesave)」に口座を持っていた英国とオランダの預金者を公的資金で保護する法案の是非を問う国民投票が行われた。投票締め切り直後の政府発表によると、反対が大半を占めた。

 公共放送RUVによると開票率32%の段階で反対票が約93.1%を占め、賛成票は1.6%に過ぎなかった。最終的な投票率は明らかになっていないが、RUVによると投票締め切り数時間前の時点で有権者23万人の54.45%が投票していた。

 英蘭両政府はアイスセーブに預金していた合計約34万人の自国民に預金分を払い戻していた。アイスランド議会は前年12月、負担を肩代わりした英蘭政府に対し、2024年までかけて39億ユーロ(約4800億円)を支払う法案を可決したが、オラフル・グリムソン(Olafur Grimsson)大統領が法案への署名を拒否し、国民投票にかけられていた。

 国民投票の結果を受け、国際通貨基金(International Monetary FundIMF)の援助が受けにくくなったり、欧州連合(EU)加盟やユーロ導入に向けた交渉が難しくなったりする恐れがある。アイスランドの信用が落ち、現在の左派政権が不安定化する恐れもある。

 しかし有権者の75%が法案に反対との世論調査結果も出ていたことから国民投票の結果は意外ではなく、政府は数週間前から英蘭との新しい取り決めに向けて動いていた。(c)AFP