【3月6日 AFP】チベット仏教で最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)に次ぐ第2の高位者パンチェン・ラマ(Panchen Lama)11世に中国政府が認定したギェンツェン・ノルブ(Gyaincain Norbu)氏(20)が、中国の国政助言機関である中国人民政治協商会議(Chinese People's Political Consultative ConferenceCPPCC、政協)委員としてのデビューの舞台で、民族の団結と国家の結束を訴えた。

 ギェンツェン・ノルブ氏は4日夜、国営の新華社(Xinhua)通信に対し、「わたしは(パンチェン・ラマ11世に)選出されて以降、国家の団結と民族の結束を守るという使命を担ってきた。そしていま、その責任感はますます強まっている」と語った。

 ダライ・ラマ14世は別の少年をパンチェン・ラマに認定していたが、中国共産党はギェンツェン・ノルブ氏を支持し、ノルブ氏は1995年にパンチェン・ラマ11世に選ばれた。

 ノルブ氏は前月、中国仏教協会(Buddhist Association)副会長に選出されたことに続き、政協の委員にも選出された。政協は、形式上は全国人民代表大会(NPC、全人代)に助言をする機関とされる。

 ダライ・ラマ14世がパンチェン・ラマ11世に認定したゲンドゥン・チューキ・ニマ(Gedhun Choekyi Nyima)氏は公の場に姿を見せておらず、自宅軟禁に置かれているとみられている。(c)AFP