【2月9日 AFP】ジョン・マーサ(John Murtha)米下院議員(ペンシルベニア州<Pennsylvania>選出)が8日、胆のう手術後の合併症のため米バージニア(Virginia)州アーリントン(Arlington)の病院で死去した。77歳。元海兵隊員で親軍部だったが、イラク戦争を厳しく批判した。民主党の保守派だった。

 マーサ氏は、米政府によるパナマ独裁者マヌエル・ノリエガ(Manuel Noriega)国防軍司令官の体制転覆や、フィリピンのフェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)大統領を国外脱出に追い込んだ出来事、米中央情報局(Central Intelligence AgencyCIA)によるアフガニスタンの反ソ連勢力への武器提供に対する資金拠出などで活躍した。

 また、下院歳出委員会の国防小委員長を務める一方、自らの選挙区に過去18年間で20億ドル(約1800億円)の税金を助成金として落としたことから「ポーク・キング(助成金の王)」とも呼ばれた。

 2002年にはイラク開戦を支持したものの、05年11月には米軍はイラク撤退すべき時期だと米政府を厳しく批判した。また、06年には米兵がイラクのハディサ(Haditha)で非武装の民間人を殺害し、その事実を米軍が隠ぺいしようとしたことを糾弾した。

 マーサ氏の事務所によると、マーサ氏の下院初当選は1974年2月。ベトナム戦争従軍経験者の中で初めて下院に当選した。マーサ氏は、アーリントンの病院で家族に看取られて死去した。(c)AFP/Lachlan Carmichael