【2月3日 AFP】北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記は、国民がいまだにトウモロコシを主食にしていることは非常に胸が痛むと発言した。朝鮮労働党機関紙、労働新聞(Rodong Sinmun)が1日、報じた。北朝鮮が国民の生活水準向上に失敗していることを認めるのは異例のこと。

 労働新聞は、金総書記の現在の願いは、食糧をトウモロコシへ依存している状況を終わらせ、国民に米や小麦製品を食べさせることだとしている。

 韓国の聯合(Yonhap)ニュースによると、金総書記は、「人民がいまだにトウモロコシに依存しているという事実に最も胸を痛めている」「今、わたしがすべきことは、人民にコメやパン、麺などを豊富に食べさせることだ」と語ったと報じられているという。

 労働新聞は、今回の発言の時期や場所などについては明らかにしていない。

 金総書記はまた、国民に対し、父親の故・金日成(Kim Il-Sung)初代国家主席が生前に表明した、国民がトウモロコシの食事など知らないような国を築くとの誓いを守るよう求めた。

 北朝鮮は、数十万人が死亡した1990年代の飢饉(ききん)以来、厳しい食糧不足に悩まされている。前年11月30日に実施されたデノミ(通貨呼称単位の変更)は、配給ネットワークにも大きな影響を与え、食糧不足の悪化や急激なインフレを招いた。(c)AFP

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