【12月7日 AFP】ジェームズ・ジョーンズ(James Jones)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は6日、米CNNテレビの番組「State of the Union」に出演し、米政府がアフガニスタン・パキスタン国境周辺の山岳部に潜伏しているとみられる国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者を捕らえる新たな作戦を開始すると語った。

 ジョーンズ氏は、ビンラディン容疑者がパキスタン北部のワジリスタン(Waziristan)、国境のパキスタン側、そしてアフガニスタン側など場所を変えて身を潜めているという情報機関の報告内容を明かにした上で、バラク・オバマ(Barack Obama)政権はビンラディン容疑者を捕らえる新たな作戦を計画しているのかと問われ、「そう思う」と答えた。

 さらに、同容疑者は「アルカイダを象徴する非常に重要なシンボル」であり、逃亡しているのか捕らえられているのか明確にすることは極めて重大なことだと語った。

 同容疑者がアフガニスタン側にも潜伏しているときがあるというジョーンズ氏の話は、パキスタン側に逃げ込んでいるとするこれまでの米当局の説明とは異なっている。

 一方、ロバート・ゲーツ(Robert Gates)国防長官は同日、同容疑者の身柄を必ず確保するとしながらも、情報機関は容疑者の潜伏場所を確認できておらず、数年間もその居場所に関する信頼できる情報を得ていないことを明かした。

 さらにヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官は同日、米NBCテレビに対し、同容疑者及びその他のアルカイダ指導者を逮捕又は殺害することは「重要」としながらも、「実現しなくても大きな前進はできる」と語った。

 米政府は、公には認めていないものの、パキスタンに潜伏しているアルカイダ指導者に対し無人戦闘機による爆撃を強化している。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は前週、政府が中央情報局(Central Intelligence AgencyCIA)に対し、オバマ大統領の新アフガニスタン戦略と平行してパキスタンへの空爆を拡大する権限を与えたと報じている。(c)AFP/Dan De Luce