【11月25日 AFP】タイのサマック・スントラウェート(Samak Sundaravej)元首相が24日、バンコク(Bangkok)のバムルンラード総合病院(Bumrungrad Hospital)で肝臓がんのため死去した。74歳だった。サマック氏は首相在任中の2008年、料理番組出演が憲法の副業禁止規定に違反するとの判決を受け、失職した。

 サマック氏は1年以上、肝臓がんの闘病を続けており、病院関係者によると、2か月以上にわたって入院していた。

 サマック氏は、タクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相の国外追放後初めて行われた総選挙で勝利し、9か月にわたって首相を務めた。在任中は反タクシン派の抗議活動が盛り上がっていた。

 40年間にわたって政治家を務めたサマック氏に対しては、普段は激しく対立しているあらゆる政治勢力から賛辞の声が寄せられている。アピシット・ウェチャチワ(Abhisit Vejjajiva)首相は、タイは「卓越した」政治家を失ったとし、「サマック氏の家族や支持者に対し、お悔やみを申し上げる。わたしは若いころから、彼の政治的役割を見てきた。タイ政界にとって損失だ」と語った。(c)AFP