【11月15日 AFP】前年の米大統領選挙で共和党副大統領候補だったサラ・ペイリン(Sarah Palin)前アラスカ(Alaska)州知事の回顧録が17日に発売されるのを前に、08年の大統領選の舞台裏の緊迫した情景を記した一部分が13日、公開された。

 副大統領候補に選出されて間もなく、ペイリン氏はCBSニュースキャスターのケイティ・クーリック(Katie Couric)氏とのインタビューで外交政策について大失態を演じた。これをめぐって、ジョン・マケイン(John McCain)共和党元大統領候補の側近たちと張り詰めた関係になったという。

 ケイティ・クーリック氏によるインタビューは08年米大統領選の決定的瞬間の1つだった。ペイリン氏は民主党側からだけでなく、共和党側からも外交政策能力の欠如を示すと厳しい追及を受けた。

■大失態インタビューの舞台裏

 ペイリン氏は回顧録「Going Rogue: An American Life(ならず者で生きる:アメリカ流人生)」の中で、この出来事について語り、インタビューにはマケイン氏側近のニコール・ウォレス(Nicolle Wallace)氏に強引に引っ張りだされたと主張している。

 回顧録によれば、マケイン氏側近のウォレス氏は、どうしてもペイリン氏をCBSキャスターのケイティ氏側につけたかった様子だったという。ウォレス氏は「今はケイティ氏にとって大変な時期。自分に自信が持てなくて、今、彼女は誰のことも信じられない状況」と説明。「このインタビューでケイティは『出世する』」と述べたという。

 ペイリン氏はそのとき、「それが大統領選とどういう関係があるの?と思っていた」そうだ。

■番記者とは会話禁止

 また、回顧録によれば、選挙用航空機でペイリン氏に同行した記者たちと話すことを禁止されていたという。「本部の戦略は、航空機の後部座席の方へ行って記者団と話すことを禁止するというものだった」と回想する。

 ペイリン氏の広報担当者が記者団との会話を許可するよう本部に申請しても、「D.C.(Washington D.C.)にいる誰かが、必ず『ダメだ!絶対にダメだ。後ろに行くつもりなら阻止しろ』と言った」という。

 回顧録は発売前に、予約だけで複数のベストセラーリストのトップを獲得。報道によればペイリン氏はすでに500万ドル(約4億5000万円)を得たとされている。(c)AFP