【11月9日 AFP】ベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領は8日、毎週日曜に放送され自ら出演する週間ラジオ・テレビ番組「アロー・プレジデンテ(Alo Presidente、こんにちは大統領)」で、隣国コロンビアとの関係が緊迫しているとして軍に「臨戦態勢」を、国民には「国土防衛」の準備をするよう強く呼びかけた。

 これに対し、コロンビア政府は、米州機構(Organization of American StatesOAS)および国連安全保障理事会(UN Security Council)に支援を求めることを検討しているとのアルバロ・ウリベ(Alvaro Uribe)大統領の声明を発表した。

 ベネズエラとコロンビアの関係は、コロンビアがこのほど、麻薬組織の撲滅作戦のため米軍が国内の7基地を使用することを認める協定に調印したことで、緊張が高まっている。両国関係は今年7月、コロンビアが同協定に合意したことで悪化。今月に入ってからは、両国国境付近でベネズエラの国境警備隊員2人が射殺され、ベネズエラは国境を封鎖していた。

 チャベス大統領は、「重要な目的のために、1日足りとも無駄にしてはならない。戦争に備え、また戦争に臨む人びとを支援すること、これは全国民の義務だ」と発言。また、「学生革命家、労働者、そして女性たちよ。みな聖なる母国、ベネズエラを防衛する準備をしよう」と呼びかけ、「戦争を回避する最良策は、戦争に備えることだ」と付け加えた。

 チャベス大統領はかねてから、南米において米国が存在感を増すことについて「侵略」だとして強い懸念を表明している。(c)AFP

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