【10月27日 AFP】イランのマヌチェフル・モッタキ(Manouchehr Mottaki)外相は26日、国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)が提示した低濃縮ウランを国外で核燃料に加工するとした草案を、選択肢の1つとして考慮していると語った。国営イラン通信(IRNA)が報じた。

 先にIAEAは、同国の核問題の解決策として、イランの低濃縮ウランを国外に輸送し核燃料としてイランに返還するとの草案をイランに提示。イラン側は数日内に回答するとしていた。

 同案について、モッタキ外相は、これまでと同様に核燃料を海外から購入する案と、早急に必要としない低濃縮ウランを外国で加工する案の2つを検討していることを明らかにした。低濃縮ウランの海外での加工案は、IAEA案にかなり近いもので、イランが初めてIAEA案に沿う姿勢をみせたものといえる。

 イランの核開発を懸念する欧米各国は、イラン国内に低濃縮ウランが存在すれば、同国はこれを核兵器に転用できる高濃縮ウランに加工する恐れがあると主張し、IAEA案を強く支持しているが、イランはそのような意図はないと否定している。

 一方、新たに存在が確認されたイランの濃縮施設を訪れていたIAEAの査察官が同日、同施設での査察を終えた。(c)AFP/Aresu Eqbali and Farhad Pouladi