【10月17日 AFP】北澤俊美(Toshimi Kitazawa)防衛相は15日、AFPのインタビューに応じ、今後も沖縄に米軍が駐留する必要があることを認めつつ、沖縄に米軍基地があることを「屈辱的」だと考える人もいると語り、来週ロバート・ゲーツ(Robert Gates)米国防長官が来日した際に、日米地位協定の見直しについても提起したいという考えを示した。

 北澤防衛相は、相手が機嫌を損ねるのではないかと考えるのではなく、疑問を率直にぶつけ、相手からも率直な意見を聞き、時代にあった日米関係を構築していくことが必要だとした上で、「その基本の中で、日米関係はきわめて重要だという柱は見失わないようにしていかなければならない」と語った。

 沖縄県宜野湾市にある米海兵隊普天間飛行場(US Marine Corps Futenma Air Base)は長い間、議論の中心なってきた。近隣住民が航空機の騒音に悩まされてきただけでなく、駐留米軍コミュニティーとの間の摩擦も拡大してきた。特に米海兵隊の兵士によって12歳の少女が集団強姦(ごうかん)された1995年の事件や、14歳の少女が強姦されたとみられる2008年の事件の後、住民の怒りは激化した。

 1960年に締結された日米地位協定(Japan-US Status of Forces Agreement)により、これらの犯罪を犯した米兵は米国の裁判権に服することとされた。ただ、最近では重大事件の容疑者は日本側に引き渡されるようになっている。

 しかし北沢防衛相は、日米地位協定に対して沖縄の人たちは「ある意味、屈辱的というか、ネガティブな思いを非常に強く持っている」と述べ、「だから普天間の再編をすすめる中で、地位協定についても十分に議論したほうがいいんじゃないかな、という思いを強くした。ただ、これは外務省でやっていただく話ですから、われわれもゲーツさんが来たときに提起するが・・・」として、ゲーツ国防長官が来日した際に、防衛省としても地位協定の議論を提起したいという考えを示した。

 自民党政権とジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前米大統領は2006年、普天間飛行場を2014年までに県内に移設することで合意した。新政権の鳩山由紀夫(Yukio Hatoyama)首相は同飛行場の海外を含めた県外移転を主張していたが、今週に入り態度を軟化させている。

 北沢防衛相によると、日本政府は在日米軍再編について米国と議論したい意向だが、米政府はすでに再協議の意志がないことを示している。同相はまた、普天間飛行場を県外に移転するとしても選択肢はほとんどなく、現状では現在の計画の微調整しかできないだろうとの認識を示した。(c)AFP/Kyoko Hasegawa