【10月11日 AFP】トルコとアルメニアは10日、両国の関係正常化に関する歴史的な合意文書に調印した。両国は第1次大戦中などにオスマン・トルコで起きた「アルメニア人虐殺」問題に関する歴史認識などめぐり約1世紀にわたり対立してきたが、今回の調印は和解へと向かう第一歩となった。

 調印式はスイスのチューリヒ大学(University of Zurich)で行われた。式典には調印を行ったトルコのアフメト・ダウトル(Ahmet Davutoglu)外相、アルメニアのエドワルド・ナルバンジャン(Edouard Nalbandian)外相のほか、両国関係正常化を後押しした欧米諸国の代表者として、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官、ベルナール・クシュネル(Bernard Kouchner)仏外相、欧州連合(EU)のハビエル・ソラナ(Javier Solana)共通外交・安全保障上級代表、セルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)露外相などが出席した。

 調印後に発表が予定されていた声明文をめぐり調印式の直前になって最終調整に手間取り、式典の開始は予定より3時間以上遅れた。アルメニア外務省の報道官によると、調印後にダウトル外相が読み上げる予定だった声明文の一部にアルメニア側にとって「受け入れがたい文言」があったという。結局、調印後にトルコ、アルメニア両外相は握手を交わしたが、予定されていた声明文の読み上げは行われなかった。

 両国の関係正常化は、スイス政府の1年以上に及ぶ仲介による交渉で最終合意に達した。しかし両国ともに国内反対派の抵抗が激しく、議会での批准手続きが難航するとみられている。(c)AFP/Lachlan Carmichael