【10月9日 AFP】自宅軟禁中のミャンマー民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さんは9日午前、ヤンゴン(Yangon)で米代表団の大使、英、豪の各大使と会談した。米大使館によると、軍事政権が面会を許可した。

 匿名外交筋によると、会談は午前10時~11時(日本時間午後12時半~1時半)に行われた。英国大使は欧州連合(EU)を代表して会談に臨んだという。会談前、Drake Weisert米大使館報道官はミャンマーの旧名「ビルマ」を使い「ビルマ情勢についてのスー・チーさんの見解を直接聞けるのを楽しみにしている」と述べた。

 スー・チーさんは最近、軍政トップのタン・シュエ(Than Shwe)国家平和発展評議会議長に対して送った書簡の中で、外国外交官との面会を求めていた。スー・チーさんは書簡で西側の制裁解除のための提案を行っている。

 スー・チーさんが率いる国民民主連盟(National League for DemocracyNLD)の広報担当で弁護人を兼任するニャン・ウィン(Nyan Win)氏は、会談が行われていることを確認し「主に制裁解除をめぐって協議すると思う。(スー・チーさんは)西側の制裁について正確な情報を求めていた」と述べた。

 スー・チーさんは過去1週間で、軍事政権との交渉窓口であるアウン・チー(Aung Kyi)連絡担当相と2008年1月以来はじめて2度会談した。メディア報道によると、1度目の会談でスー・チーさんの書簡について協議したとされるが、詳細は明らかになっていない。

 米国が対ミャンマー軍政政策を転換するなかでスー・チーさんがタン・シュエ議長に書簡を送ったことは、軍政に対し罰則措置を科すよう長年主張してきたスー・チーさんの軍政に対する態度の軟化を示している。(c)AFP