【9月25日 AFP】米国に対する激しい糾弾で知られるベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領は24日、ニューヨークで開かれた国連総会(UN General Assembly)の一般討論演説で、米国から「悪魔の硫黄臭」が消え「希望のにおい」がすると述べ、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領を持ち上げる姿勢を示した。

 チャベス大統領は2006年の国連総会で「きのう、悪魔がここ(演壇上)に来た。まだ硫黄臭が残っている」と演説し、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領(当時)を痛烈に批判した。

 しかし今回は、「昨日、彼(オバマ大統領)はここ(演壇上)で演説をした。だが、硫黄臭はもうしない。もっとよいにおいがする。希望のにおいだ」と発言。さらに、オバマ大統領に向けて「社会主義陣営に加わりなさい。あなたを悪の枢軸陣営に招待しよう」と冗談を飛ばした。

 その上で、対キューバ制裁の解除と、コロンビアの米軍事基地設置の中止などを訴えた。

 長広舌で有名なチャベス大統領の演説は1時間以上続いたが、同大統領は前日に国連で演説したリビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が90分以上話し続けたことを引き合いに出し、「カダフィ氏ほど長い演説にはならないことを約束する」と話し、笑いを誘った。(c)AFP/Luis Torres de la Llosa

【関連記事】反米チャベス大統領、オバマ大統領に対して揺れる男心