【9月17日 AFP】2012年のロシア大統領選に向け、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相は、大統領選でドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領と争うことはないとの考えを明らかにした。とはいえ、結局プーチン首相が大統領再任を計画しているのかどうかについては、いまだ明確な答えは出されていない。

 プーチン氏の発言を受け、メドベージェフ大統領も15日、大統領選前にプーチン氏と話し合ってこの問題を解決する、と巧妙に演出されたような返答をした。しかし一方で、メドベージェフ氏は2期目の大統領に立候補する可能性も排除しなかった。

 両者のコメントは、ロシアのトップ2人が一致して行動していることを示す一方、将来についての明言を慎重に避けるものとなった。

 旧ソ連時代の「煙に巻く」政治手法やクレムノロジー(旧ソ連中枢の研究)を懐かしむ人びとにとっては、プーチン氏の将来をめぐる政局予想はまさに大歓迎だろう。

 ただ、大統領候補を決めるのがプーチン氏だということは確かなようだ。そして、専門家の多くは、プーチン氏がほぼ確実に自らを大統領候補に選ぶとみている。

 露エリート研究所(Elite Studies Center)のオリガ・クリシュタフスカヤ(Olga Kryshtanovskaya)所長は、AFPに対し「2012年大統領選について、プーチン氏は明確な回答を示した。十中八九、プーチン氏になるということだ」と述べた。

「このことを示す兆候はたくさんある。どの重要ポストにもプーチン氏の部下が配置されているし、首相権限についても、強化されたとはいえ法制化はされていない」(クリシュタフスカヤ所長)

 ロシアの憲法では大統領の任期が連続2期までと定められているため、プーチン氏は08年に大統領を退任せざるをえなかった。しかし、プーチン氏が12年に大統領に再任することを禁止するものは何もない。

 ニューズウィーク(Newsweek)誌(ロシア版)は今月初め、プーチン氏が、大統領再任に向けて経済危機のなか注目度を高めるため、夏のPRキャンペーンを立ち上げたと伝えていた。(c)AFP/Stuart Williams