【9月16日 AFP】米国のジミー・カーター(Jimmy Carter)元大統領(84)は15日、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領に対する最近の怒りに満ちた批判の背景には、人種差別があると語った。

 カーター元大統領は、米NBCテレビに出演し、「バラク・オバマ大統領に対して強く示されている敵意の大部分は、オバマ氏が黒人、つまりアフリカ系米国人であるという事実に基づいたものだ」と語った。

 カーター氏は、「わたしは(米国)南部に暮らしており、南部が大きく変化するのをみてきた。しかし、差別の傾向はいまだに残っている」と指摘。「南部だけでなく、米国全土の白人の多くが、アフリカ系米国人にはこの偉大な米国を率いる資格が無いと信じている。だからこそ、この差別が表面にまで吹き出してきたのだろう」と語り、「これは憎むべき状況であり、わたしは深い悲しみと懸念を感じる」と述べた。

 前週には、下院で演説中のオバマ大統領に対し、共和党のジョー・ウィルソン(Joe Wilson)下院議員が「うそつき」とやじを飛ばす騒動があった。また、ワシントンD.C.(Washington D.C.)では、オバマ政権の政策に抗議して、数千人が抗議デモを行った。

 民主党議員や政治コラムニストらも、やじを飛ばしたり、銃で示威行動を行ったり、説教師が信者らにオバマ氏の死を祈るよう先導するといった最近の傾向を指摘し、危険なことだと警告している。(c)AFP

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