【9月13日 AFP】夫が次期首相として世界の舞台に駆け上がらんとするなか、「金星に行った」「前世でトム・クルーズ(Tom Cruise)と会った」といった発言で、一足先に外国メディアの関心を集めているのはその夫人、鳩山幸(Miyuki Hatoyama)さん(66)だ。

 元宝塚女優の幸夫人は、肩で切り揃えたボブカットと快活な性格がトレードマーク。スピリチュアルな世界に関心を持ち、奇抜な話を臆面もなくすることで知られ、従来の首相夫人の「きまじめ」な印象に新風を吹き込みそうだ。

 昨年出版された本のなかで、幸夫人は金星への旅についてこう語っている。

「証明はできませんけれどね。もう二十年くらい前のことですが、自分としては、肉体が眠っている間に、魂が三角形のUFOに乗って金星に行って来たと思っています。ものすごくきれいなところで、緑がいっぱいでした」

 この言葉は瞬く間に英米からインド、イスラエルまで世界の新聞各紙で取り上げられた。イスラエルのエルサレム・ポスト(Jerusalem Post)紙は、「なぜわが国にこれぐらい個性的な指導者はいないのか」と見出しに書き、英タイムズ(Times)紙は「日本の次期首相が抱える外交問題は対中国、北朝鮮、ロシアと難題ばかりだが、金星との友好関係については心配する必要はない」とやゆした。

 米タイム誌(Time Magazine)には「ミセス・オカルト」と呼ばれた幸さんは、最近出演したテレビのトークショーで、トム・クルーズさんを主役に起用したハリウッド(Hollywood)映画を制作したいという「野望」を語った。その際、幸さんは「わたしは前世で彼が日本人だっていうのを知ってるんですよ。わたしは彼と一緒だったっていうのを知ってるんです。彼に会ったら、たぶん『久しぶりね』って言えば、彼は分かると思ってるんです」とも述べた。

 幸さんはまたインタビューで、太陽からエネルギーをもらっている話を披露し、「太陽がこう出てたらね、パクパクパクパクと、こうやって、ちぎって食べてるの。あれすごく力になるわよ」と、生命を与える太陽の中をかきわけ、ちぎって口に入れるような身振りを交えながら説明した。

 幸さんのUFO遭遇談は、夫の鳩山由紀夫(Yukio Hatoyama)氏がエピソードを寄せた『私が出あった世にも不思議な出来事』という本に登場する。この本のなかで鳩山氏は幸さんに対し「人知を超えた世界に触れさせてもらったことも含めて、女房には本当に感謝しています」と記している。

 工学系の研究者だった鳩山氏は「もともと私は、理論的に証明されないかぎり信じないという世界にいましたが、女房と出会ってからは、理屈では説明のつかないことをたくさん体験しました」と振り返り、「科学的にいっても未確認の物体が飛んでいるというのは十分あり得る話ですし、銀河系のどこかに知性を持った生物が存在するだろうと考えるのは当然だと思います。ただ、わたしの理解はその程度でして、女房に突然『金星に行って帰ってきた』という話をされると、まだまだ戸惑ってしまいますが」と、笑いながら語っている。その後、幸さんは金星の話は夢で見たことを語ったものと述べている。

 幸さんは「ライフ・コンポーザー」として活躍、数々の料理本を発表するほか、鳩山氏の髪型や装いをコーディネートするチーフ・スタイリストでもある。(c)AFP/Miwa Suzuki