【9月13日 AFP】ジンバブエを訪問中の欧州連合(EU)の代表団は12日、前年の大統領選後の混乱を経て2月に連立内閣を樹立したロバート・ムガベ(Robert Mugabe )大統領、モーガン・ツァンギライ(Morgan Tsvangirai)首相と個別に相次いで会談した。EUがムガベ大統領と会談したのは7年ぶり。

 前日の11日に「血に濡れた白人」がジンバブエの内政に介入していると強烈に非難したムガベ大統領は、首都ハラレ(Harare)で、笑顔で代表団を迎え、自分は旧宗主国である英国を非難したのであって、西側諸国一般を非難したのではないと語った。

 ムガベ大統領は、ジンバブエに科された制裁が多くの国民を苦しめていることに失望感を示しつつ、会談後に「会談はうまくいった。彼らは連立協定がうまくいっていないと考えて色々と質問してきた。しかし連立協定の実施事項は適時実施されている。(EU側と)良い関係を築くことができた。友好的な会談だった」と述べた。

 EUと米国は不正があったとされる2002年の大統領選挙後の混乱を受け、ムガベ氏とその側近に制裁を科している。加盟国の経済的統合と地域の安全保障強化を目的とする南部アフリカ開発共同体(Southern African Development CommunitySADC)も制裁の解除を求めているが、EUはジンバブエが直面する問題の原因は制裁ではなく、統治と人権侵害にあるとしている。

 EU代表団はムガベ大統領との会談では制裁について話さなかったが、ムガベ大統領との会談後、同国第2の都市ブラワヨ(Bulawayo)で行われたツァンギライ首相との会談ではこの問題が話し合われた。ツァンギライ首相は、制裁の問題は最近始まったEUとの協議でも取り扱われるだろうが、ジンバブエには憲法改正、報道の規制など改革すべき点が多数残されていると発言した。

 スウェーデンのグニッラ・カールソン(Gunilla Carlsson)国際開発協力担当相は、会談では主に政治的自由と報道の自由を保証するなどとした連立協定の確実な実施について話し合われたことを明かした。

 ジンバブエとの関係正常化をめざすEUはムガベ大統領が確実に改革を進める確証を求めている。連立内閣樹立後も、主要ポストをめぐる争いやツァンギライ氏の支持者への迫害が起きていることから、西側各国は直接支援に慎重な姿勢を崩していない。(c)AFP/Reagan Mashavava