【8月23日 AFP】18日に85歳で死去した金大中(Kim Dae-Jung)元大統領の国葬が23日営まれ、独裁政権と戦い、韓国に民主主義をもたらし、北朝鮮との民族和解に尽力した金大中氏に、国民たちが最後の別れを告げた。

 韓昇洙(ハン・スンス、Han Seung-Soo)首相は弔辞で、ノーベル平和賞も受賞した金大中氏について、国際社会の尊敬を集めた「近代史における偉大な指導者」だったと述べた。

 韓首相は「揺るぎない信念と不屈の勇気をそなえたあなたがいたからこそ、民主化が成し遂げられた。あなたの自己犠牲、献身、情熱が、韓国に自由、人権、民主主義を花開かせ、今日のわが国を世界に誇れる、また尊敬を得る国にならしめた。また、南北間の和解の道を切り開いた」と金氏に語りかけた。

 民主体制への金氏の貢献を象徴し、国会議事堂前の広場で現地時間午後2時(日本時間同2時)から行われた告別式には、金大中氏の遺影を前に、政治家、外国の高官、市民など約2万4000人が参列した。議事堂の正門には弔問客らが黄色のリボンを留めていった。

 周辺の警備には警官数千人が動員された。式の後、金大中氏の遺体は警官約30人のオートバイに護衛され、国立墓地へ運ばれる。

 韓国政府は6日間の服喪期間を宣言した。(c)AFP