【8月18日 AFP】国防費抑制に取り組む姿勢をみせているバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は17日、アリゾナ(Arizona)州フェニックス(Phoenix)で開かれた海外戦争退役軍人協会(Veterans of Foreign WarsVFW)の総会で演説し、国防予算案に盛り込まれている大統領専用ヘリコプターの新規導入を必要としないことを改めて強調した。

 オバマ大統領は、次期大統領用ヘリコプター「マリーンワン(Marine One)」が核攻撃にも耐えられるキッチンを装備している点に触れ、「核攻撃下でも料理が作れるらしい。でもわたしから言わせてもらえば、米国が核攻撃を受けた時は、軽食で簡単に済ませると思う」と語った。

 オバマ大統領は、予定が大幅に遅れている上に数十億ドルの予算オーバーとなっている国防計画と「戦っていく」ことを強調し、「非常に簡単なことだ。無駄を削り、税金を節約した上で、軍隊を支えていく」と語った。

 オバマ大統領は2月にホワイトハウス(White House)で開催された「財政責任サミット(Fiscal Responsibility)サミット」でも、マリーンワンの新規導入に反対しており、米政府側もこの導入予算案への拒否権発動もちらつかせていた。

 だが、米下院は7月下旬に6360億ドル(約60兆円)の国防予算案を承認した際、マリーンワンの導入費用をこの中に含めた。一部の下院議員の地元では、国防支出は地域の雇用に直結しているという背景がある。上院では9月の、予算案の修正案を採決する見込みとなっている。

 次期マリーンワンは、ロッキード(Lockheed)のヘリコプターEH-101を元にしたものになる予定。現在のシコルスキー(Sikorsky)・モデルよりも強力な防御力と長い耐用年数があるという。(c)AFP