【8月16日 AFP】フィリピンのグロリア・アロヨ(Gloria Arroyo)大統領の報道官は16日、経済危機のさなかに伝えられるアロヨ大統領の贅沢な生活スタイルに世論の怒りが高まっていることから、大統領専用機の発注を見合わせたと発表した。

 購入予定だった専用機の機種や値段は発表されていないが、報道官は、アロヨ大統領が「これ以上、自分の支出に関する批判を引き起こしたくないと思っている。大統領は、専用機の購入中止を命じた」と語った。

 米紙ニューヨーク・ポスト(New York Post)は7日、アロヨ大統領が7月の米国公式訪問中に側近らとレストランでとった食事の額が2万ドル(約200万円)にも上ったと報道した。これを受け、国民9000万人の約3分の1が1日1ドル以下で暮らすフィリピンでは街頭での抗議行動が起こるなど、大統領に激しい非難が集中した。

 一方、大統領官邸はこの高級レストラン「Le Cirque」での食事は、アロヨ大統領の盟友の兄弟である裕福なフィリピン人建築家に振る舞われたもので、公金はいっさい支出されていないと釈明している。

 大統領報道官は会見で、専用機は「後継の代々の大統領たちの役に立ったかもしれないが」、購入を取りやめたと述べた。(c)AFP