【8月12日 AFP】(写真追加)ミャンマーの民主化運動指導者、アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さんの自宅軟禁を延長するとしたミャンマー軍事政権の決定に対し、国際的な非難が高まっている。

 ミャンマーの特別法廷は11日、自宅軟禁の条件に違反し、外国人を自宅に滞在させたとして起訴されていたスー・チーさんに、懲役3年の有罪判決を言い渡したが、同国の軍事政権はこれを自宅軟禁18月に減刑した。これにより、スー・チーさんが2010年の総選挙に立候補する道は実質的に閉ざされた。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、判決を「不当」と非難し、スー・チーさんの即時釈放を要求。軍事政権はミャンマー人民の自由への希求を抑えつけることはできないとしたうえで、「スーチーさんを始めとする数千人の政治犯たちが、ビルマ(ミャンマーの旧名)国民の意志、権利、意欲を尊重する政府を追求するがゆえに自由を奪われている」と強調し、政治犯の釈放を要求した。

 欧州連合(EU)は、軍事政権に対する制裁を強化する考えを示した。ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)英首相は「偽りの裁判」と非難。ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領も新たな制裁を求めた。

 国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、「判決に深く失望した。スー・チーさんの無条件釈放を求める」とのコメントを発表。国連安全保障理事会(UN Security Council)は11日に緊急会合を召集したが、非難声明に関する結論は12日に持ち越された。

 アジアでは、マレーシアが東南アジア諸国連合(Association of Southeast Asian NationsASEAN)の緊急会合を求めたほか、インドネシアとフィリピンも判決を強く非難した。

 また、東京、バンコク(Bangkok)、ロンドン(London)などでは、判決に抗議するデモ行進が行われた。

 一方で11日のミャンマー国営紙の社説は、諸外国に対し内政干渉をしないよう念押しをするとともに、スー・チーさんの支持者らに対し「民主主義を傷つける」恐れがある「暴動や抗議活動」を起こさないよう警告している。(c)AFP/Hla Hla Htay