【7月27日 AFP】前週末、麻生太郎(Taro Aso)首相が「高齢者は働くしか才能がない」と発言したことに対する批判を鎮めようと27日、政府周辺は慌しく動いた。

 日本の大きな有権者層である高齢者はますます増えている。わずか1か月後に衆院選を控えるなか、野党各党はこの機に乗じていっせいに首相発言を批判した。

 麻生氏は25日、横浜市内で開かれた日本青年会議所の会合でのあいさつで、「高齢者は働くことしか才能がない。働ける才能をもっと使って、その人たちが働けるようになれば納税者になる。税金を受け取る方ではない、納税者になる」などと発言した。

 同日、首相はこの発言を振り返り「意図が正しく伝わっていない。誤解を与えた」と述べた。

 この発言について、共産党の志位和夫(Kazuo Shii)委員長は「(高齢者を)侮辱するような発言だ」と批判、民主党の鳩山由紀夫(Yukio Hatoyama)代表は「働くしか才能がないという言い方はどう考えてもおかしい」と非難した。

 週明けの27日、河村建夫(Takeo Kawamura)官房長官は午前中の記者会見で、「首相は、元気ある高齢社会をつくり、高齢者の雇用の場をつくっていく、ということを強調したかった」と釈明した。(c)AFP