【7月13日 AFP】脳死を一般に「人の死」と位置づけ、臓器提供の年齢制限を撤廃する改正臓器移植法(A案)が、13日午後の参院本会議で可決、成立した。投票結果は賛成138票、反対82票だった。

 1997年に成立した現行法下では禁じられている15歳未満からの臓器提供に道が開ける。

 現行法下では子どもが移植を必要とする場合、多額の費用を工面し、海外で移植手術を受けざるを得ない状況だった。

 改正法では臓器提供・移植の年齢制限を撤廃したほか、本人が生前に明確に拒否を表明していない場合は、家族の同意で臓器提供が可能になる。

 脳死下での臓器提供は、米国では毎年数千件、欧州では数百件が実施されているのに対し、日本ではこれまでに81例にとどまる。

 法改正の機運が高まった背景には、世界保健機関(World Health OrganizationWHO)が、2010年初めまでに加盟国に臓器移植を国内のみに制限するよう求める構えを示していることがある。(c)AFP