【6月27日 AFP】スリランカ警察は、同国のマヒンダ・ラジャパクサ(Mahinda Rajapaksa)大統領政権に深刻な政治的・経済的問題が起きるだろうと予言した占星術師を逮捕したと発表した。

 逮捕されたのは、野党支持の週刊誌で占星術のコラムを担当しているChandrasiri Bandaraさん。警察によると、Bandaraさんは25日に警察に連行された。警察の広報は26日、「刑事部が占星術師の事情聴取を行っている」と述べ、予言の「根拠」について調べていると付け加えた。

 占星術師のBandaraさんは、10月8日に起きる惑星の変化が議会に不吉をもたらし、また、生活費の上昇を政府は抑えることができないだろうと予言した。生活費の上昇は、すでに経済専門家らも指摘していた。

 これに対し、野党・統一国民党(United National PartyUNP)は、占星術師の逮捕を非難し、政府が独裁政権に突き進んでいると批判している。UNPのTissa Attanayake事務局長は、「Bandaraさんの罪は、政府の意に沿わない占星術コラムを出版したことだ」と憤る。

 スリランカの政治家は、占星術を深刻にとらえるという。政治家の大半は、新たな計画や業務を開始するための縁起の良い時期などを判断するお抱え占星術師がいる。

 スリランカ軍が反政府武装勢力「タミル・イーラム解放のトラ(Liberation Tigers of Tamil EelamLTTE)」を壊滅させて以降、同国政府は過去最高の人気を獲得している。LTTEは40年近くにわたって、シンハラ人から独立し、少数民族タミル人の国家を設立することを目指して闘争を続けていた。(c)AFP