【6月24日 AFP】米国防総省は23日、サイバースペースでの戦争を戦い、軍のコンピューターをハッカーたちから守る「サイバー軍」を創設すると発表した。

 ロバート・ゲーツ(Robert Gates)国防長官がサイバー軍の創設を正式に指示した。米戦略軍(US Strategic Command)の下に設置され、10月に始動し、2010年10月に本格稼働する予定。

 サイバー軍の創設は、サイバースペースにおける優勢を確保するという米軍の新しい戦略を反映している。中国やロシアなどによる不正アクセスへの懸念が高まっていることも創設理由の一つだ。

 国家安全保障局(National Security AgencyNSA)のキース・アレクサンダー(Keith Alexander)中将がサイバー軍を率いるとみられている。同中将はサイバースペースは、海や空と同じように国の安全保障を形作る新たな軍事的領域だと語っている。

 専門家のなかには、サイバースペースの安全保障強化は、外交的な窮地を招いたり、国民のプライバシーや自由を脅かしたりしかねないと懸念する声もある。バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、民間や軍のコンピューター・ネットワークを守る取り組みを強化したとしても、プライバシーは注意深く守るとの方針を示している。(c)AFP/Dan De Luce