【6月11日 AFP】北朝鮮は11日、南北共同事業である開城(Kaesong)工業団地で、同団地の今後について韓国当局者と行った会合の席で、韓国側に数百万ドルの追加出資を要求した。

 最近、北朝鮮が朝鮮戦争時の休戦協定の無効を宣言し、前月25日の地下核実験やミサイル試射を行ったことで両国間の緊張が急激に増すなか、韓国の太陽政策の最後に残った南北事業である同団地の先行きは、すでに陰りつつある。

 国連安全保障理事会の5常任理事国と日本、韓国の7か国は10日、北朝鮮の核実験やミサイル発射に対する追加制裁決議案で合意した。同決議案は早ければ11日中に安保理全体で採択される見込みだ。

 最近ではまれな開城団地での南北代表団の会談で、北朝鮮側は韓国側が支援している同団地の従業員4万人の給与を、ひと月あたり75ドル(約7400円)から300ドル(約2万9500円)に値上げするよう要求したと、韓国側が明らかにした。

 また韓国統一省によると、北朝鮮側は同団地を開発した韓国のデベロッパーに対し、土地の貸与料として5億ドル(約492億円)を要求したという。同団地の開発費は韓国が出資した。

 当局関係者や専門家らは、こうした北朝鮮の要求は、2004年12月に南北和解の象徴として発足した同団地計画の終わりを告げると警告している。同団地の操業はこれまでもたびたび政治的緊張によって打撃を受けてきた。

 両国は19日に再度、開城工業団地に関する協議をもつ点で合意した。(c)AFP/Lim Chang-Won