【6月4日 AFP】米国のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官が、中国で1989年に起きた天安門(Tiananmen)事件の犠牲者や行方不明者の氏名を公表するよう中国政府に求めた声明に対し、中国政府は4日、「強い不満」を表明した。

 中国外務省の秦剛(Qin Gang)報道官は、記者団との定期会見で「米国の発言は、中国政府に対する根拠のない非難だ。強い不満を表明する」と語った。

 中国に対しクリントン国務長官は前日3日、20年前に市民による民主化デモを中国当局が弾圧した天安門事件の際、死亡したり行方不明になった人びとの氏名を公表するとともに、いまだ投獄されている参加者を釈放するよう求めた。

 事件から20年目を迎える4日にあわせ、クリントン長官は「中国は経済的に著しい進歩をとげ、国際的なリーダーシップをとるにふさわしい国として台頭している。今こそ過去の暗い出来事を明らかにして振り返り、殺された人びと、投獄されたり行方不明となった人びとに対する責任を公に取るべきだ。そうすることで学び、また癒しにもなる」という声明を発表した。

 クリントン氏はまた、天安門事件で殺害されたり投獄された学生らの母親たちで組織するグループ「天安門の母(Tiananmen Mothers)」に対する弾圧をやめるよう中国政府に要求した。

 米議会も2日に同様の趣旨の声明を全会一致で採択している。(c)AFP