【5月28日 AFP】自宅軟禁の条件に反して自宅に外国人を滞在させたとしてミャンマーの軍事政権に起訴された同国の民主化指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さんの公判で27日、事件の原因を作った米国人男性が証人として出廷し、スー・チーさんを訪問した理由について「神の警告を伝えるのが目的だった」と述べた。

 証言台に初めて立ったジョン・ウィリアム・イエットー(John William Yettaw)さん(53)は、湖畔にあるスー・チーさん宅に湖を泳いで渡って侵入した目的は、スー・チーさんがテロリストに暗殺されるという神の警告を伝えるためだったと語った。

 イエットーさんを滞在させたことで起訴されているスー・チーさんは、有罪の場合、最高5年の禁固刑が科せられる。

 また、イエットーさんは米ミズーリ(Missouri)州の自宅からやって来たのは、スー・チーさんを暗殺するであろうテロリストが、その責任を軍事政権に負わせるという夢を見たからだとも述べたと、スー・チーさんが率いる国民民主連盟(National League for DemocracyNLD)の広報担当で弁護人を兼任するニャン・ウィン(Nyan Win)氏が報道陣に明らかにした。イエットーさんは「神に来るよう頼まれた」と言っているという。

 非公開で行われている公判では同日、弁護側が請求した証人4人のうち3人の証言が却下され、スー・チーさんと同じく自宅軟禁されているNLDの副議長の証言も認められなかった。

 ニャン・ウィン氏によると、29日にも判決が下される。(c)AFP/Hla Hla Htay