【5月21日 AFP】米シンクタンク科学国際安全保障研究所(Institute for Science and International SecurityISIS)は19日、パキスタンが核兵器の原料物質の製造が可能な核関連施設2か所で拡張を進めていることを示す衛星写真を公開した。

 ISISの専門家はこれらの写真から、デラガジカーン(Dera Ghazi Khan)近郊にある六フッ化ウランとウラン地金を製造する化学工場で大幅な拡張が行われている様子と、ラワルピンディ(Rawalpindi)の核関連施設でプルトニウム分離施設が1基増設されている様子がわかるとしている。

 ISISはまた、パキスタンは近年、プルトニウム製造用反応炉を2基建設しており、一連の拡張によって、パキスタンは小型・軽量のプルトニウム爆弾や熱核兵器の製造が可能になったとみられると指摘した。

 マイク・マレン(Mike Mullen)米統合参謀本部議長が「パキスタンが核兵器生産能力を増強している」と述べた15日の発言が、今回公表された写真で裏付けられたことになる。
 
 ISISは、パキスタン北西部においてイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)と政府軍の戦闘が激化していることに触れ、こうした核関連施設の安全性に疑問を呈している。(c)AFP/Dan De Luce