【4月20日 AFP】(一部更新)国連(UN)主導の世界人種差別撤廃会議の再検討会議が20-24日にスイス・ジュネーブ(Geneva)で開かれる。イランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領がイスラエル批判を展開することが予想される同会議について、米政府は参加を見送る方針を示しているが、欧州連合(EU)諸国では参加の是非について意見が分かれている。

 会議では、奴隷貿易への謝罪など2001年に南アフリカ・ダーバン(Durban)で開かれた人種差別撤廃会議で採択した宣言と行動計画の進ちょく状況を検証し、差別撤廃への道筋を討議する。これまでに米国のほかにオーストラリア、カナダ、イスラエル、イタリア、オランダ、ニュージーランドが参加しない意向を示している。ドイツも19日、会議初日からの参加はしない意向を表明した。

 一方フランスは、大統領に近い情報筋によると、参加の意向を固めているようだ。

 イランのアフマディネジャド大統領は19日ジュネーブ入りした。過去にイスラエルを「地図から抹消すべき」と訴え、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を「神話」だと表現したことのある同大統領は、会議初日の20日午後(日本時間同日夜)に演説を行うことになっている。

 イスラエル外務省のスポークスマンは、会議不参加の理由を「人種差別撤廃を目標とした会議に、イスラエルの破壊を呼びかけるホロコースト否定論者が招かれているため」と説明している。

 同じく不参加のオーストラリアのスティーブン・スミス(Stephen Smith)外相は、「会議が反ユダヤ主義などの過激思想が吹聴される場として利用される恐れがある」としている。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、最終コミュニケの草稿案に示されていた「完全に偽善的・非生産的な」反イスラエル的言動は到底容認できるものではない、と発言している。(c)AFP/Peter Capella