【4月12日 AFP】アリゾナ州立大学(Arizona State UniversityASU)は来月の卒業式でスピーチをする予定のバラク・オバマ(Barack Obama )米大統領に名誉学位を授与しない方針であることが10日報じられ、話題になっている。

 米国では、大学の卒業式でスピーチをする来賓に名誉学位を授与するのが通例。オバマ大統領はアフリカ系として初めて米大統領に就任し、2冊のベストセラーも書いているが、アリゾナ州立大は名誉学位に値する業績とはいえないという立場をとっている。

 報道によると、同大の広報担当者は「われわれは1つのことに長年取り組んだ場合に業績と認めています。オバマ大統領は就任したばかりですので、業績とは認められません」と述べたという。

 MSNBCのコメンテーターが「あの人たちは芝刈りで学位を取ったんじゃないのか?」と述べるなど、同大の方針は笑いの種になっているが、マイケル・クロウ(Michael Crow )学長は「私は学長就任時、わが大学に寄付をした人と現役の政治家には名誉学位を授与しないと宣言した」と述べ、決定を覆すことはないと述べた。

 ASUは過去において、同大への大口寄付者、映画監督、詩人、スーパーマーケット経営で成功した実業家、弾劾されたナバホネーション(Navajo Nation、アリゾナ州など3州にまたがる先住民居住地)のトップに名誉学位を授与している。

 地元紙イーストバレートリビューン(East Valley Tribune)は、アリゾナ州立大でスピーチする大統領がいなくなってしまうとして、大学に再考を求める社説を掲載した。オバマ大統領は5月17日にノートルダム大学(Notre Dame)の卒業式でスピーチをする予定だが、こちらは名誉学位を授与する予定だという。(c)AFP