【4月8日 AFP】(一部更新、写真追加)タイの首都バンコク(Bangkok)で8日、アピシット・ウェチャチワ(Abhisit Vejjajiva)首相の辞任を求めて、タクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相の支持者ら10万人以上が抗議デモに集結した。東南アジア諸国連合(Association of Southeast Asian NationsASEAN)と日中韓の3カ国が参加するASEANプラス3首脳会議を前に、タイの政治危機は深刻化している。

 抗議デモ参加者は、タクシン派団体であることを示す赤いシャツを着て、プミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)国王の最高顧問で、2006年9月のクーデターで中心的役割を担ったとしてタクシン氏が非難しているプレム・ティンスラノン(Prem Tinsulanonda)枢密院議長の自宅前に集結した。

 また、デモ隊は、これまで2週間にわたって座り込みの抗議集会を続けてきた首相府前にも集まり、「タクシンを復職させよ!アピシット退陣せよ!」とスローガンを連呼した。

 治安部隊数千人が首都一帯に配備されたが、これまでのところ流血の事態は避けられている。アピシット首相は、抗議集会の中心グループが、流血の事態を引き起こそうと画策するはずだと警告している。

 アピシット首相は、タクシン元首相派の要求する政権の退陣と総選挙実施を拒否し、暴動が起きた場合には強硬手段に出ると警告した。(c)AFP/Jutarat Tongpiam