【4月3日 AFP】主要20か国・地域(G20)緊急首脳会議(金融サミット)の共同宣言に、租税回避地(タックスヘイブン)の「ブラックリスト」の公表が盛り込まれた陰には、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領の活躍があった。米高官によると、公表を強く求めるフランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領と、異議を唱える中国の胡錦涛(Hu Jintao)国家主席の間をオバマ大統領が仲介して、宣言の採択にこぎつけたという。

「サルコジ大統領は、リスト(の公表が)宣言の中に盛り込まれないことに反対していた。中国側は、リストを盛り込むことに異議を唱えていた」(米高官)

 この高官が匿名を条件に明かしたところによれば、オバマ大統領は緊迫した状態が続いていた仏中間を仲介し、表現を和らげることで行き詰まりを打開した。

 サルコジ大統領は首脳会議の前に、タックスヘイブンの規制強化が合意されなければ会議を途中退席する考えを表明していた。そこでオバマ大統領はまず、サルコジ大統領を脇へ招き、共同宣言に最終的に盛り込む表現を妥協するという提案をした。

 続いて、胡主席ら中国代表団を会議場の隅へ呼び、表現の妥協について合意を得た。それから、両者を招いて合意を確認したという。

「オバマ大統領は、通訳らを引き連れてサルコジ大統領のもとを訪れ、合意に達した。最後に握手もした。そのおかげで、G20は共同宣言に経済協力開発機構(OECD)が租税回避地のブラックリストを公表する点を盛り込むことができたのだ」。(c)AFP