【4月1日 AFP】国際社会の制止を無視して、北朝鮮は数日以内に衛星打ち上げロケットを発射するとみられる。

 米国や日本などは、「人工衛星打ち上げ」を長距離弾道ミサイルの発射実験のための口実とみており、発射を行えば国連安全保障理事会(UN Security Council)決議への違反行為として安保理に提起すると述べている。

 しかし、北朝鮮側は、失うものはほとんどない一方で得るものが多いと計算しており、米国との交渉カードを増やすだけでなく、自国民からの支持を強化できるとみている。

 北朝鮮に対する国連制裁は、2006年の北朝鮮のミサイル発射と核実験を受けて決議され、弾道ミサイルの発射を禁止していたが、ほとんど効力がない。しかし、制裁を強化することに対しては中国とロシアが反対する可能性が高い。

 国際的な非政府組織(NGO)「国際危機グループ(International Crisis GroupICG)」は1日、国際社会に対し、抑制した対応をするよう呼びかけた。

 ICGは、「仮に実験が成功したとしても、安全保障リスクはわずかに上昇するだけだ。一方、過敏な反応をした場合、(6か国協議の存続が)危うくなる」と警告した。

 ICGのダニエル・ピンクストン(Daniel Pinkston)上級アナリストは、「大げさな反応は、北朝鮮の強硬派に力を与えることになる。彼らが罠(わな)を仕掛けているようなものだ」と述べた。ピンクストン氏によると、今回の発射実験は、米国のオバマ新政権と北朝鮮の「対話開始のきっかけになるかもしれない」という。(c)AFP/Simon Martin