【3月6日 AFP】英ロンドンで6日、ピーター・マンデルソン(Peter Mandelson)民間企業・規制改革担当相がヒースロー(Heathrow)空港の拡張工事に反対する活動家の女性に、緑色のカスタードクリームをかけられる事件があった。
   
 マンデルソン担当相が温暖化ガス削減計画を協議する会場へ車両で到着したところ、車から降りた担当相に女性が近付き、いきなり手に持っていた紙コップ一杯のカスタードクリームを担当相の顔に正面から浴びせかけた。

 担当相は下を向き、顔をそむけ、そのまま足早に建物の中に消えた。クリームを浴びせかけた女性は、紙コップを拾い上げると、平然とその場を立ち去った。

 この女性は、空港管理会社BAA(British Airports Authority)によるヒースロー空港拡張工事に反対し英国内で複数の抗議活動を展開する団体「Plane Stupid」のメンバー、レイラ・ディーン(Leila Deen)氏で、事件の後、テレビインタビューに応じ、「マンデルソンは気候変動を政治に利用している」と非難した。また、マンデルソン担当相について「緑色なのは、血管を流れる粘液だけ」と皮肉った。

 さらにディーン氏は、ヒースロー空港に第3滑走路建設は、自分たちの世代への「侮辱」だと述べ、メディアの扱いに長けたマンデルソン担当相の異名、「Prince of Darkness(暗闇の王子)」にかこつけ、「(ヒースロー空港がある)ロンドン西部を暗闇に覆わせてはならない」と訴えた。

 一方、欧州連合(EU)の通商担当委員から前年、政権閣僚に返り咲いたマンデルソン担当相も、これに負けじと、クリームが付着したコートを脱いだ姿でテレビに出演。事件を「たかが若者の抗議運動だ」と切り捨てた。「彼女は緑色のスープのようなものを私の顔に浴びせようと必死で、何に抗議しているのか、私に言うことを忘れてしまったようだ。ともかく、ペンキじゃなくて助かった。こうして無事でいられたからね」(c)AFP