【3月5日 AFP】(写真追加)訪米中のゴードン・ブラウン(Gordon Brown)英首相は4日、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)の連邦議会議事堂で、米上下両院議員を前に演説を行った。ブラウン首相は米国に対し、保護主義的な動きに抵抗していくことや、「友人である欧州」を始めとした各国と協力して危機的状況にある世界経済の回復に取り組んでいくことを求めた。

 ブラウン首相は、「われわれは、このチャンスを逃すべきではない。これまで、世界がこれほど協力関係を築くことを望んでいたことはなく、これほど必要とされていたこともないからだ。さらに、協力することで得られる利益がここまで広範囲に及ぶことはなかったからだ」と語った。

 ブラウン首相は米議員らに対し、1930年代の世界大恐慌(Great Depression)以来といわれる危機状況に見舞われている米国経済の回復を図るにあたっては、貿易障壁を設定するなどの保護主義の誘惑に惑わされないよう求めた。さらに、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は「人びとの記憶にある限り最も親米的な欧州のリーダーシップ」を期待できると強調した。

■英女王からのサプライズ演出も

 ブラウン首相は演説中、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)が、北アイルランド(Northern Ireland)での和平推進に尽力したことなどを理由に、民主党のエドワード・ケネディ(Edward Kennedy)上院議員に対し名誉爵位を授与したことを明らかにした。

 米議会で演説を行った英首相は、ブラウン首相で5人目。(c)AFP/Olivier Knox