【2月25日 AFP】(一部更新)バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は24日、連邦議会の上下両院合同会議で就任後初の施政方針演説を行い、史上最悪の経済危機からの脱出を表明する一方、浪費による見境いのない一獲千金時代を清算する時が来たと宣言した。

 オバマ大統領は国民に対しても犠牲と責任を求め、揺らぐ国家の確立と停滞する経済の再生に向け、自信に満ちた姿勢を演出した。


以下は施政方針演説の要旨。

■米国の再生

「われわれは再建し、再生する。そして米国は以前よりも強くなる」

■経済再建計画

「米国全土の銀行預金は安全だ。保険も保護されている」

■金融危機

「最大規模の融資基金を新設し、米国の経済を担う消費者や起業家らに対する自動車購入や大学の学資ローンや、小規模事業のためのローンの提供を支援する」

「これらの計画には、政府からかなりの資金が必要となる。おそらく、すでに確保した予算を上回る額になるだろう」

■エネルギー政策・温暖化対策

「市場に基づいた二酸化炭素排出の規制と、米国での再生可能エネルギーの生産拡大につながる法案を提出するよう議会に要請する」

■自動車産業

「自動車の発明国であるわれわれが、自動車の製造をやめることがあってはならない」

■医療制度

「われわれの生きている間にがんの治療法を探し、ほぼすべての米国人の生命に影響をおよぼしてきたこの病を克服する新たな取り組みを開始する」

■教育

「この政権の目標は、すべての子どもたちが、完全で競争力のある教育を受けられるようにすることだ」

■財政赤字の削減

「イラクで数十億ドルを無駄使いした随意契約を中止し、もはや使用していない冷戦時代の兵器への支出をやめるよう国防予算を再編する」

「これは10年後を見据えた赤字削減計画だ」

「われわれは7年間にわたって戦争を続けている国だ。これからは、その費用を隠すことはしない」

■国防・外交政策

「わたしの予算案には、米軍兵士と海兵隊員の増員を盛り込んでいる」

「グアンタナモ湾(Guantanamo Bay)の収容施設の閉鎖を命じた。拘束しているテロリストらに対しては、迅速で確実な法の裁きを求める」

「われわれは、言葉と行為の両方で、新たな関与の時代が始まったことを世界に示している。われわれは、今世紀の脅威に対して、米国単独では対処することができないが、世界全体も米国抜きでは対処できないことを知っている」(c)AFP